木造住宅の害敵たち②木材腐朽菌とカビ 食卓のキノコが木材を腐らす!? 被害と習性、そしてホウ酸による対策

床下の木材に発生した腐朽菌とカビ

シックハウス症候群の原因になるカビ。住宅の木部を腐らせる木材腐朽菌。暮らしを悩ます木材劣化生物を知り、防ぐべきこと、取るべき対策を紹介します。

最終更新日 2026年10月22日(初版 2022年7月15日)

住まいと人の暮らしにダメージを及ぼす木材劣化生物たち

シロアリ・木材腐朽菌など木材劣化生物の相関図

木造住宅の木材を傷める生き物には、シロアリやキクイムシなどの昆虫と、木材腐朽菌やカビなどの菌類がいます。シロアリとキクイムシについては①シロアリで紹介しています。

食卓のキノコが木材を腐らす!?

「香り松茸、味しめじ」。舞茸に椎茸、風味のある出汁もとれ、秋の味覚を連想する、食卓を彩るおいしいキノコ。

かわって、じめじめした梅雨の季節になると、見慣れない青い物体が……と思ったら、カビの生えた食べ物。キノコとカビは近い仲間です。そして、どちらも木造住宅にとって脅威となる生き物です。

木材腐朽菌(キノコ):白色腐朽菌と褐色腐朽菌

木材腐朽菌は、木材を腐らせる菌類の総称です。大きくは白色腐朽菌と褐色腐朽菌の2種類に分けられ、どちらも木材を腐らせて分解します。

幹の表面に生えた白色腐朽菌のキノコ
幹の表面に生えた白色腐朽菌のキノコ。日が当たりにくく、温度・湿気(水)・養分(木)・酸素がそろうと菌が繁殖します。
水漏れが原因で床下に発生した褐色腐朽菌
水漏れが原因で床下に発生した褐色腐朽菌。目が届きにくい床下は、菌が育つ条件がそろいやすい場所です。

白色腐朽菌は、サクラやケヤキ、ブナなどの広葉樹を好みます。木材中のリグニンを分解し、白っぽいセルロース・ヘミセルロースを残して木材を白く変色させることから、白色腐朽菌と呼ばれます。ふだん食べているシイタケや舞茸など「○○タケ」の食用キノコの多くは白色腐朽菌です。褐色腐朽菌に比べて寒さや直射日光に強く、乾燥と湿潤を繰り返す場所や寒暖差の大きい場所など、環境の変化が激しいところでも育つものが多いのが特徴です。

褐色腐朽菌は、マツやスギなど住宅に使われる針葉樹を好みます。セルロースやヘミセルロースを分解し、褐色のリグニンを残して木材を褐色・黒色に変色させることから、褐色腐朽菌と呼ばれます。住宅に大きなダメージを与えるナミダタケも褐色腐朽菌です。

屋根からの雨漏りが原因の腐れ
屋根からの雨漏りが原因の腐れ。壁の中は発見が遅れ、腐れが進みやすい場所です。近くにコンセントがあることも多く、しずくがケーブルを伝うこともあります。雨漏りはさまざまな危険を招きます。

褐色腐朽菌は、湿気が多く風通しや日当たりの悪いところを好みます。セルロースを分解する過程で水をつくり、木材の水分を調整して、自ら繁殖しやすい条件を整えます。

なお、「白色」「褐色」は菌そのものの色ではなく、菌に分解されたあとの木材の色で呼び分けています。

木材腐朽菌への有効な対策

カビ:シックハウス症候群の原因

カビも腐朽菌と同じ菌の仲間で、「温度・湿気・養分・酸素」がそろうと発生します。じめじめした床下や、結露が起きやすい壁の中などによく見られます。

湿気の多い床下に発生したカビ
湿気の多い床下に発生したカビ。床下に入り込んだ雨が原因です。今の住宅は床下の気密性が高い分、いったん入った湿気が抜けにくいことがあります。
床下の地面に発生した黄カビ
床下の地面に発生した黄カビ。土の上に敷かれた砂利一面に広がっています。

カビが腐朽菌と違うのは、木の表面に発生はしても、木材を分解しないことです。梅雨の時期の食べ物や、日当たりが悪く湿気の多い場所、換気の悪いお風呂などは、カビが発生しやすい条件がそろっています。

しかし、カビのいちばん厄介な点は、人の健康を害することです。代表的なのがシックハウス症候群で、カビが飛ばした胞子を吸い込むことで、目の痛みや不快感、鼻水、のどの炎症、吐き気、湿疹、頭痛、だるさ、呼吸困難などのアレルギー症状が出ることがあり、場合によっては重い症状につながります(症状の出方には個人差があります)。

カビはふだん目にしない床下や壁の中で増え続けるため、家の中にいると何となく体調がすぐれない、といった形で現れ、原因を特定しにくいことがあります。

壁紙の裏に広がる黒カビ
一見何もなくても、壁紙の裏に広がる黒カビ。結露や湿気が多い部屋では、壁の中や壁紙の裏にカビが生えていることがあります。壁紙ののりがカビの養分になっています。

ホウ酸は木材腐朽菌やカビにも効果を発揮

シロアリに効果を発揮するホウ酸は、木材腐朽菌やカビにも効果があります。

生き物が生きるために必要なエネルギーを体内でつくり出すことを「代謝」といいます。代謝には酵素と補酵素が必要で、ホウ酸は補酵素と結びついて代謝を妨げます。その結果、シロアリなどの昆虫や、木材腐朽菌・カビは生きていけなくなります。

一方、腎臓を持つ哺乳類である私たち人間は、取り込んだホウ酸が体の外に排出されるため、ごく大量を一度にとらない限り、急性毒性は食塩と同程度とされています。

ホウ酸は空気を汚さない
ボロンdeガード®は揮発しないため吸い込む心配がなく、化学物質過敏症やシックハウス症候群の心配もありません。空気を汚さないので、赤ちゃんやペットにも安心です。
持続効果比較:ホウ酸と合成殺虫剤
有機化合物の合成殺虫剤や防腐剤は数年で効果が切れますが、無機鉱物のホウ酸は効果が長く続きます。そのぶん再処理の費用が抑えられ、ほかの住まいのメンテナンスに費用を回せます。

ホウ酸は天然の鉱物に由来する自然素材で、揮発しないため屋内の空気を汚しません。化学物質過敏症やシックハウス症候群の心配がなく、効果が長く続く、人と環境にやさしい木材保存剤です。

効果が切れにくく、健康被害の心配がないホウ酸防腐防蟻

動画で見る、床下のカビや木部の腐れ対策

屋内の人やペットには安全なまま、シロアリやキクイムシのほか、木材腐朽菌やカビにも長く効果を発揮する「ボロンdeガード®」のしくみを動画で紹介します。

続きは YouTube「ながいき住宅のレシピ」チャンネルへ

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