外来種のシロアリアメリカカンザイシロアリとは
アメリカカンザイシロアリは、北アメリカ原産の外来種で、乾燥した木材の中で暮らす「乾材シロアリ」の一種です。日本でも木造建築物への被害が確認されています。
土の中に巣を作る在来のシロアリと違い、乾いた木材の中に巣(コロニー)を作ります。木材に含まれるわずかな水分だけで活動できるため、柱や土台などの構造材、家具にも住みつきます。木材の表面は食べずに内部を食べ進むため、外から見ても被害に気づきにくく、知らないうちに被害が広がるおそれがあります。
(土の中には作らない)
家から家へ広がる
被害のサイン
在来のシロアリとの違い
| ヤマトシロアリ・イエシロアリ | アメリカカンザイシロアリ | |
|---|---|---|
| 巣の場所 | 土の中や、湿った木材 | 乾燥した木材の中(構造材・家具など) |
| 入ってくる所 | 地面から床下へ | 羽アリが飛んできて、屋根裏や窓枠など家のあらゆる所から |
| 被害の気づき方 | 蟻道(土のトンネル)や床下の被害 | 落ちている羽や、木材から出てくる糞粒 |
日本国内での被害は増加傾向
毎年4月から10月の日中、新しい巣を作るために羽アリが飛び出し、家中に被害を広げたり、近くの家に飛んで移り住んだりして生息域を広げています。被害が多いエリアでは、建てる前の材木に侵入するケースもあります。
特に米軍基地やその周辺の施設、港町の周辺で被害が拡大しています。近くの建物への移動や、引っ越しの際に被害を受けた家具と一緒に持ち込まれることで、日本各地に被害が点在しています。現在は主に本州・四国・九州・沖縄で被害が出ており、増加傾向にあります。
いつどこで侵入するかは予測できないため、新築はもちろん、今お住まいの住宅でも、適切な予防対策をしておくことが大切です。
見分け方と、被害の見つけ方
屋根裏や壁の中の木材に巣を作ることが多く、ふだんの生活では被害が見えないため、発見が遅れがちです。気づいたときには住宅の耐震性が大きく下がっていて、部分的な補強や交換では対応できないこともあります。早期発見がとても大切です。
羽アリの見分け方
在来のヤマトシロアリやイエシロアリと比べて体が大きく、暗い褐色をしています。4月から10月の日中に、新しい巣を作るために羽アリが一斉に飛び立ちます(群飛)。


侵入のサイン:落ちている羽と、木材の穴
羽アリは木材に入り込むとき、自分で羽を落とします。家の中やバルコニーなどで、次のようなものを見つけたら注意してください。


被害のサイン:糞粒(ふんつぶ)
アメリカカンザイシロアリは、特徴的な「糞粒」を木材の外に出します。約1mmの俵の形で、表面に6本の筋があります。色は食べた木材の色で、散らばっていたり、盛り塩のように積もっていたりします。見つけたら、すぐに対処が必要です。




糞粒を見つけたら 掃除をしてしまうと、被害の場所が分かりにくくなります。調査が終わるまではそのままにしておくか、写真に撮って記録を残してください。
被害事例




アメリカカンザイシロアリ対策は、家全体のホウ酸処理
日本でこれまで行われてきた合成殺虫剤の散布は、効果が一時的で長く続かず、再処理できる範囲も床下に限られます。空から飛んでくるアメリカカンザイシロアリは、処理されていない屋根裏や窓枠から被害を広げます。
そのため、安全で効果が長く続くホウ酸処理を、家全体に行うことが最善の方法です。高濃度のホウ酸水溶液とホウ酸の粉末を適材適所で使い分けることで、長期間の対策ができます。この対策は在来のシロアリやキクイムシにも有効で、環境や健康への影響を抑えながら建物の耐久性を高めます。
これから家を建てる方
飛んでくるアメリカカンザイシロアリを防ぐため、揮発せず効果が続くホウ酸処理(全構造材処理)を行い、定期的な点検とメンテナンスを続けることが大切です。ボロンdeガード®工法では、アメリカカンザイシロアリも対象になる「乾材シロアリ特約」を付けられます。
すでに被害が出ている方
合成殺虫剤での駆除を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、被害を根本から止めるには、効果が長く続くホウ酸処理がとても重要です。ホウ酸の形状や特性を使い分けながら、駆除と予防の工事を並行して行うのが最も効果的です。



