【ボレイト養蜂部】ミツバチの天敵「スムシ」
ミツバチの天敵といえば「スズメバチ」が
まずは思い浮かびますが、私にとっては
もっと厄介なのが「スムシ」です。
スムシは「ハチノスツヅリガ」という
蛾の幼虫なのですが、文字どおり
ミツバチの巣を物理的に破壊する天敵なんです。
以下がスムシ(ハチノスツヅリガ)の生態です。
【生態】
1. 成虫(ガ)
小型の灰褐色のガ。夜行性。
産卵のためにミツバチの巣箱に侵入。
一度に数百個の卵を産むことも。
2. 卵・孵化
卵は数日で孵化。
幼虫(これが「スムシ」)がすぐに巣の中に入りこむ。
3. 幼虫(スムシ)
蜜蝋(みつろう)、花粉、繭のカス、死骸などを食べて育つ。
巣材にトンネルを掘るように移動し、巣枠をボロボロにする。
被害が進むと巣が崩壊、ミツバチの活動にも大きな支障をきたす。
4. 蛹(さなぎ)
繭をつくって蛹化。隙間などに固定して蛹になる。
数日~数週間で成虫に。
【養蜂における影響】
ミツバチの巣を物理的に破壊。
巣枠の再利用が困難に。
群れが弱っている場合、スムシに巣を乗っ取られることも。
【スムシ対策(養蜂現場)】
強い群れを維持する:弱い群れはスムシに負けやすい。
巣箱や器具の清掃・消毒。
使っていない巣枠は冷凍して保管(スムシの卵や幼虫を殺す)。
**捕獲器(フェロモントラップ)**の設置。
ミツバチが越冬できないと養蜂箱は
スムシに乗っ取られてしまい、
巣枠は使えなくなり、巣箱もダメージを受けます。
何より、駆除するのが大変なのです。