【ボレイト養蜂部】ミツバチのダンス
ミツバチの「ダンス」は、仲間にエサの場所を
伝えるための高度なコミュニケーション手段です。
代表的なダンスには以下の2種類があります。
1. 尻振りダンス(ワグルダンス / Waggle Dance)
目的:遠く(概ね100m以上)にある花の位置を仲間に伝えるため。
ダンスの特徴:8の字型を描きながらダンス。
中央の直進部分でお尻を左右に振る(=ワグル)。
直進部分の角度:太陽と巣の位置を基準に、花の方向を示す。
お尻を振る速さや回数:エサ場までの距離や質の良さを伝える。
例:太陽の方向を上にしたとき、直進部分が右斜め下(45度)なら、
「太陽から45度右に行ったところに花がある」という意味。
2. 円形ダンス(ラウンドダンス / Round Dance)
目的:近く(数十メートル以内)にエサがあるときに使う。
ダンスの特徴:小さな円を描くようにぐるぐる回る。
方向や距離は詳しく伝えない。
仲間に「近くにいい花があるから探してごらん」と知らせる。
ポイント:ダンスのための「太陽の位置」の理解
ミツバチは太陽の位置を正確に把握でき、曇りの日でも偏光や
地磁気を頼りに方向を判断します。
この能力を使ってダンスの方向情報を伝えています。
なぜこれがすごいのか?
人間以外の動物で「抽象的な情報(距離・方向)」をダンス
で伝える例は非常に珍しい。
ノーベル生理学・医学賞(1973年)を受賞した
カール・フォン・フリッシュがこの行動を初めて科学的に証明しました。