【ボレイト養蜂部】ミツバチの毒性
ミツバチに刺されたことがある人もいるかもしれません。
今回は、ミツバチの毒性について調べてみました。
1. ミツバチの毒(ハチ毒)の成分
ミツバチの毒は 主に防衛のために使われ、人間や動物に
刺すことで注入されます。
成分は複雑で、代表的なものは以下の通りです。
メリチン (Melittin):
毒成分の約50%を占めるペプチド。
赤血球や細胞膜を破壊する作用があり、
強い痛みや炎症を引き起こす。
ホスホリパーゼA2:
アレルギー反応を強める酵素。
細胞膜を分解し炎症を助長する。
ヒアルロニダーゼ:
組織を壊して毒の拡散を助ける酵素。
ヒスタミン:
かゆみや腫れを起こす。
2. 人体への影響
軽度の場合:
刺された局所に強い痛み、赤み、腫れ。
多数刺された場合:
頭痛、吐き気、発熱、血圧低下など全身症状が出る。
アナフィラキシー(重度アレルギー反応):
呼吸困難、意識障害、血圧低下など命に関わることもある。
特にハチ毒アレルギーのある人は注意が必要。
3. 毒性の強さ
ミツバチ1匹の毒は量としては微量で、健康な成人が1匹に
刺されても命に関わることはほぼない。
ただし 数百匹に刺される と致死的になる可能性がある
(毒の致死量の目安:体重1kgあたり10匹程度とされる)。
スズメバチに比べると毒性は弱いが、針が逆トゲ状で抜けず、
体内に毒袋が残って持続的に注入されるのが特徴。
4. ミツバチ毒の応用
実はミツバチ毒は医療・研究にも利用されます。
関節リウマチや神経痛の緩和:
炎症抑制効果を利用した民間療法(アピセラピー)。
抗菌・抗がん作用の研究:
メリチンの細胞破壊作用を利用する研究が進められている。