【ボレイト養蜂部】ネオニコの規制
ネオニコチノイド系農薬(ネオニコ)の規制について、
世界各国で議論や規制が進んでいます。
以下、主な国の動向を紹介します。
1. ネオニコの問題点
ネオニコチノイド系農薬は、
昆虫の神経系に作用する殺虫剤で、
特にミツバチなどの受粉昆虫に悪影響を及ぼすとされています。
ミツバチの大量死(蜂群崩壊症候群)の原因の一つと考えられ、
環境への影響が懸念されています。
2. 世界各国の規制状況
<EU(欧州連合)>
2013年:クロチアニジン、イミダクロプリド、チアメトキサムの3種について、一部作物での使用を制限
2018年:屋外での使用を全面禁止(温室での使用は許可)
2023年:代替農薬の研究が進むが、依然として厳格な規制を維持
<アメリカ>
連邦レベルでは規制が緩やかだが、州によっては規制あり(例:カリフォルニア州、メリーランド州など)
2020年:米国環境保護庁(EPA)が一部のネオニコの登録を見直し
<日本>
EUほど厳格ではないが、使用基準の見直しが進行中
2023年:食品安全委員会が一部のネオニコについてリスク評価を実施
2024年:一部の農薬の基準値が変更予定
<カナダ>
2019年:一部ネオニコ(イミダクロプリド)の段階的削減を発表
2021年:一部の用途で使用禁止
<その他の国>
中国:規制は緩やかだが、一部の省で使用制限
オーストラリア:EUほどの規制はないが、環境影響の調査が進行中
3. 代替案と今後の展望
生物農薬(天敵を利用する方法)
物理的防除(防虫ネットの活用など)
低リスク農薬(RNA干渉技術を利用した新しい農薬など)
日本でもミツバチへの影響を考慮しつつ、
農業の生産性を維持できる代替手段の研究が進んでいます。
ネオニコ系農薬は防蟻剤としても利用されており、
ホウ酸はその代替案として、普及していくことを期待したいと思います。