【ボレイト養蜂部】「蜂球(ほうきゅう)」とは?
「蜂球(ほうきゅう)」とは、
文字どおりミツバチが集団で球状に固まる現象を指します。
主に以下の2つの場面で見られる現象です。
1. 分蜂(ぶんぽう)時の蜂球
春から初夏にかけて、巣が大きくなりすぎるとミツバチは
新しい巣をつくるために群れを分けます。
その際、女王蜂が一部の働き蜂を連れて巣を飛び出し、
いったん木の枝や建物の陰などに固まって休憩します(写真)。
このとき、無数のハチが女王蜂を中心に球状に
まとまっている状態が「蜂球」です。
しばらく休んだのち、偵察バチが新しい巣場所を見つけると、
群れ全体で移動します。
2. 外敵に対する防衛行動としての蜂球
ミツバチが外敵、特に スズメバチ などの捕食者を巣内に引き
込んだ場合、働き蜂たちがその敵を取り囲み、
びっしりと球をつくります。
蜂たちは羽を振動させて熱を発生させ、内部の温度を約 46℃
前後まで上げます。これはスズメバチにとって致死温度ですが、
ミツバチは耐えられるギリギリの温度です。
この「熱殺蜂球」と呼ばれる行動で敵を倒します。
ただ、これができるのは在来種であるニホンミツバチだけで、
セイヨウミツバチにはできません。
日本で養蜂以外でセイヨウミツバチが生存できない、
主な理由となっています。