日本のクズ(葛)が海外で脅威に
日本では身近な植物のクズ(葛)ですが、海外、
とくに北米では代表的な侵略的外来植物
として問題になっています。

クズは日本を含む東アジア原産のつる性多年草です。
米国には19世紀後半に観賞用として持ち込まれ、
その後、家畜の飼料や土壌侵食防止
のために積極的に植栽されました。
しかし、温暖で生育に適した米国南東部では
制御が難しくなり、1950年代には雑草として
問題視されるようになりました。
1998年には米国で有害雑草として
リストに掲載されています。
最大の問題は、非常に旺盛に広がり、
ほかの植物を覆ってしまうことです。
地面だけでなく低木や樹木にも絡みつき、
植生を覆うことで在来植物の生育を妨げます。
米国森林局も、米国南東部では森林内部まで
侵入し、既存のクズ群落の周辺にある森林が
侵入リスクにさらされるとしています。
つまり、日本では「秋の七草」「葛粉」「葛餅」
など文化的にも馴染み深い植物が、海外では
生態系を大きく変えてしまう
侵略的外来種になっているわけです。
生物は本来の生息地では天敵や競争相手、
気候などによって増殖が抑えられていますが、
別の地域へ持ち込まれると、そのバランスが
崩れて爆発的に広がることがあります。
クズはその非常に分かりやすい例です。