手袋も養蜂家にとって必需品の一つです。 簡単な内検程度なら 素手でやってしまうこともありますが、 たいていそういう時に限ってミツバチを怒らせてしまい、 後悔することになります。   手袋を付けての作業は、 ベタベタするので面倒で嫌なのですが、 怒ったミツバチは、指先を狙って刺してきます。 ちゃんとどこを攻撃したらよいか知っているんです。 燻煙器もそうですが、 少しの作業でも面倒がらずに手袋を着ける。 しかも針が通らない、分厚いビニール手袋、 もしくは革製の手袋でないとダメです。

今回ご紹介する養蜂道具は「ツール」です。 ツールも養蜂家にとって、なくてはならない道具の一つで、 さまざまな場面で重宝する道具です。 代表的な使用場面は、養蜂箱を内検するときです。 ミツバチは巣をつくるのに蜜蝋やプロポリスを分泌します。 これらをつかって巣をつくるわけですが、 これらが接着剤の役割を果たすため、 巣箱の蓋や巣枠を固めてしまうことになります。 主にツールはこうして固められてしまった 部分をこじ開けるのに使用します。 ワックスを剥がすためのスクレーパーのような 使い方をする道具になります。

今回紹介する養蜂道具は「刷毛（はけ）」です。   刷毛は、主に巣枠からミツバチを払うのに使用します。 採蜜する際に巣枠を巣箱から取り出すのですが、 当然ながら巣枠にはたくさんのミツバチがいます。 まずは巣枠を取り出して、巣箱の上でミツバチを 振り落とすのですが、落ち切りません。 そこで登場するのがこの刷毛です。 刷毛でミツバチを残らず払い、 巣枠を遠心分離器にかけて採蜜を行います。 採蜜時だけでなく、内検時や蓋を閉めるときにも ミツバチを潰してしまわないように使います。

遠心分離器に続いて紹介する養蜂道具は「燻煙器」です。 文字どおり煙を出すための道具ですが、 この燻煙器、ほぼ養蜂家が使っている ところでしか見かけることがないので、 養蜂家が持っている道具の象徴かもしれません。 ミツバチは煙を感じると山火事だと勘違いし、 大人しくなる性質があります。 養蜂の作業時のあらゆる場面で、 騒がしくなったハチたちを大人しく させたいときに煙を掛けて沈めさせます。 燻煙器を使うのは面倒なので、 簡単な作業は、燻煙器なしで 作業していたこともありますが、 大概そういう時に限って大騒ぎになり、 たくさん刺されて後悔することになります。 どんな些細な作業のときもこれを使う。 ハチに刺されないための大切な道具です。  

遠心分離器は、重要な養蜂道具の一つです。 ニホンミツバチの採蜜は、巣ごと採取し、 巣からはちみつが滴り落ちるのを 待つという原始的な方法になりますが、 セイヨウミツバチの場合は、 巣枠を遠心分離器に入れて、 遠心力によってはちみつを飛ばして採取します。 巣枠＋遠心分離器の組み合わせにより、 はちみつの効率的な採取が可能になったわけです。

前回、はちみつを砂糖代りに使うことについて触れましたが、 今回ははちみつの栄養価について解説したいと思います。   はちみつの歴史は古く、 昔からパーフェクトフードなどと呼ばれ、 珍重されてきました。 実際に含まれる栄養素は多岐に渡り、 ビタミン、ミネラル、アミノ酸、酵素、ポリフェノールなどが含まれています。 風邪の予防に効くとか、美容にも良いと言われています。 砂糖には含まれない栄養素も多いので、 料理などで日常的にはちみつを摂取することで、 さまざまな良い点がありそうですね。  

はちみつは人間にとって甘味料のひとつですが、 甘味料の最も一般的なものが「砂糖」です。   はちみつは、砂糖に比べ甘味度が高いわりに、 カロリーが低いので、 ダイエットの強い味方になります。 砂糖の1/3くらいの量で、 同等の甘味が得られるといわれています。 しかも、はちみつは果糖とブドウ糖が主な糖分のため、 甘味だけでなく、コクがあり、 料理やお菓子をより美味しくしてくれます。 砂糖替わりにはちみつ、使ってみてはいかがでしょうか。  

採蜜の時期が終わり、 夏越しの時期となりましたが、 ウッドデッキに出ると、 写真のようにミツバチたちの屍が たくさん落ちているのを見かけます。   ミツバチは暗くなると方向感覚を失い、 飛べなくなってしまいます。 なので光に集まる習性があり、 巣に戻れなかったミツバチは 家の明かりに誘われて、 窓に集まってきます。 そして、朝を迎えられず 死んでしまうハチが出てきます。 どれも、一生懸命にはちみつを 集めてくれたミツバチたちです。 なんだか切なくなります。

連日養蜂箱の周りには多数のスズメバチがたむろしています。 防スズメバチネットを被せているものの、 スズメバチに庭を占領されるのは困ります。   そこで登場するのがネズミ駆除用の粘着シートです。 これに捕獲したスズメバチを生きたままくっつけておくと、 フェロモンに誘われてスズメバチたちが自ら シートにくっついてくれるのです。 でも、今年はエサトラップも粘着シートにも、 どうも効きが悪い気がします。 スズメバチたちも同じ手にはやられない 本能を持っているのでしょうか。 いたちごっこは続きます。

梅雨が明けて夏本番を迎えると、 養蜂家にとって心配のタネが増えます。 スズメバチです。   気が付くと、たくさんのスズメバチが 養蜂箱の周りを取り囲んでいました。 なので、急遽スズメバチ対策用ネット を被せて対策することにしました。 スズメバチが出てくると採蜜も終わりかな… 今年は例年に比べハチミツの量が少なくなりそうです。